「空中ブランコ」奥田英明

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おすすめの小説を探していたところ、人間的に成長できるというレビューを見つけて読んでみました。
- 空中ブランコ
- ハリネズミ
- 義父のヅラ
- ホットコーナー
- 女流作家
5つの短編小説が、かなり癖の強い精神科医(ドクター伊良部)でつながっているという構成です。
エンタメ要素が強めながら、それぞれのお話の読了後に「なるほどな」と思える気づきがあるのがよかったです。
毒舌だったり訳の分からない行動をしたりするけど愛のある人って不思議な魅力がありますね。実世界では、小説のようなほんわかとしたハッピーエンドにはならなくて、ただの変な人だと敬遠される事も多い気がしますが…。
5つの作品の内、最後の「女流作家」では、ラストでほろりと涙が出ました。
一方、ひとつ前の「ホットコーナー」は気分に合わなかったので、今回は読み飛ばししました。
作家さんには失礼な読み方かもしれませんが、最近私は、読書はもっと自由に読んでもいいかな?と思っています。
気になる部分は何度も読み返すし、数ページ流し読みしたりもする。
昔は、本って、集中できなくても我慢して前から順番に読んで、つまらなくても最後まで読むことが義務みたいに思っていましたが、不良読者でいいや!っと。
その本と出会って、その時の自分に必要な言葉がすーっと入ってくる。
無理して読んでも、心に何も残らなければ読んだ意味も薄れてしまう気がします。
「無理しない事って大事」
これは、この本を読んで改めて感じたことの一つです。
人はみんな心の中に、闇や狂気を抱えていて、結構無理しちゃってるものですよね。
時には羽目を外して発散したり、変える勇気ややめる勇気を持つこと、自分は正しいという思い込みを捨てて客観的に自分を見る事を忘れないようにしたいです。