「草枕」夏目漱石
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「吾輩は猫である」「坊ちゃん」に続いて3作目に書かれたのが「草枕」です。
初期の作品という事もあってか、書き方をいろいろと試しているような感じがしつつ、大きな事件はないけれども、美しい文章でゆらりと流れていくような心地よい世界を楽しめました。
とはいえ、難しい言葉も多くて、結構、雰囲気でざっくりと読んだ感じです。
力を抜いて楽に生きる
温泉宿の湯泉につかっている時の主人公の心の声
流れるものほど生きるに苦は入らぬ
長湯をするのが好きで、頭の中に色々な考えが思い浮かんでくるのに身を任せて、湯船に浸かってボーとしている心境がよくわかります。
そんな脱力感と、流れに逆らわずに、楽に生きる力の抜き加減がしっくりきて、共感を覚えたフレーズです。
世の中のウザさ
世の中はしつこい、毒々しい、こせこせした、その上ずうずうしい、いやな奴で埋まっている。 元来何をしに世の中へ面を晒しているんだか、解しかねる奴さえいる。 しかもそんな面に限って大きいものだ。浮世の風にあたる面積の多いのをもって、さも名誉のごとく心得ている。 五年も十年も人の臀に探偵をつけて、人のひる屁の勘定をして、それが人世だと思ってる。 そうして人の前へ出て来て、御前は屁をいくつ、ひった、いくつ、ひったと頼みもせぬ事を教える。 前へ出て云うなら、それも参考にして、やらんでもないが、後ろの方から、御前は屁をいくつ、ひった、いくつ、ひったと云う。 うるさいと云えばなおなお云う。よせと云えばますます云う。分かったと云っても、屁をいくつ、ひった、ひったと云う、そうしてそれが処世の方針だと云う。 方針は人々勝手である。ただひったひったと云わずに黙って方針を立てるがいい。人の邪魔になる方針は差し控えるのが礼儀だ。 邪魔にならなければ方針が立たぬと云うなら、こっちも屁をひるのをもって、こっちの方針とするばかりだ。 そうなったら日本も運の尽きだろう。
ちょっと下品な表現ですが、すごく伝わる世の中のウザさ。
難しそうに書かれている芸術論の根底も、こういう感じの本音ぶっちゃけ勘があるように思いました。
恥ずかしくない生き方
恥ずかしくないように生きろとはよく言われるし、よく使われる表現ではあります。
わしが小坊主のとき、先代がよう云われた。人間は日本橋の真中に臓腑をさらけ出して、恥ずかしくないようにしなければ修行を積んだとは言われんてな。
恥ずかしくない言動や心であることはもちろんの事、恥ずかしくない裸体である事。そして食べたもので体は作られるから、究極的には健康診断で優良評価を得られる綺麗な臓器という所まで考え至り、結局は日々の習慣という事につながりそうです。
苦痛に打ち勝つ愉快
芸術論の中の一節
善いは行い難い、徳は施しにくい、節操は守りやすからぬ、義のために命を捨てるのは惜しい。 これらをあえてするのは何人にとっても苦痛である。 その苦痛をおかすためには、苦痛に打ち勝つだけの愉快がどこかに潜んでおらねばならん。
芸を極められる人は苦痛を超越する愉しさを見いだせている人。なんだかんだ言って、人は自分が愉しいと思う事しかできない。
嫌な仕事や人間関係でも相対的にまぁこれならあっちよりかは愉しいか、マシか、という判断でえり好みしているのでしょう。
では、愉しさってなんだろう?一生を賭けられる愉しさだったり、他人が苦痛で苦痛で逃げ出したくなるけど自分にとっては愉しいと思えるものを見つけられれば、世間的な評価はさておき、自分的には満足が行く愉しい人生になりそうです。
そうして、他人から見たら愕く境地にたどり着いたものが芸術なのかもしれません。
「芸術とは強調」だと言っている人がいました。愉しいことは突き詰めて、端までいくこと。世間的に凡庸であっても、自分の中で強弱をつ気て、愉しいを強調していれば、芸術的な生き方になるのかもしれません。
生きている甲斐
ちょっと癖が強くて魅力的な若い奥様とのやりとりで、主人公の画家が言った言葉
なあにどこにいても、呑気にしなくっちゃ、生きている甲斐はありませんよ。
生き甲斐は呑気にすること。のんびりすることは最高の贅沢とも言います。
忙しく動き回ったり、何か意味のある事を成し遂げたりする事こそ生き甲斐だという価値観が強いですが、そんなことはない。
呑気でいるから味わえることや分かることはあるし、呑気でいる技術は意外と身につけ難い高等術だったりします。
文明の発達の先
この時代においては汽車。今の時代ならAIでしょうか。
文明はあらゆる限りの手段をつくして、個性を発達せしめたる後、あらゆる限りの方法によってこの個性を踏み付けようとする。
やっぱり、個性や自分らしさは守るべきものでしょう。
新しいものを取り入れて自分を深化させることは大切ですが、流されすぎないように、自分を見失わないようにしたいです。
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