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「新版 放浪記」林芙美子

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連続ドラマを見ているような感じで読み進められる日記形式の小説。時系列がぐちゃぐちゃであることがよくわかってらず、意味が分からないところも少なくないが、適当に読んでも楽しめる感じでした。

新宿には林芙美子記念館もあるようで、機会があれば言ってみたいです。
新宿区立 林芙美子記念館 -新宿歴史博物館 – 新宿未来創造財団

好きな人はハマるけど苦手な人は苦手かも

主人公はどんなに過酷な運命にもくじけず女々しくならない強くてひたむきな女性です。

世間に毒舌を吐く強い女って、私は嫌いではないけれど、そんな自分によってる感じはちょっと苦手かもと思ってしまいました。

こういうのも必要だし時々読みたくなるけど。たまに・・・少し・・・でいいやという感じ。

3部構成ですが、飽きてしまって最後の章はほとんど流し読みしてしまいました。最近また集中力が欠けてきているせいもあるかもしれませんが…

強い女として

強い女だなと感じる表現として気に入ったところはこんな感じです。

男に食わしてもらう事は、泥を噛んでいるよりも辛いことです。
いま富士山は大荒れだと書いてある。フン!あんなものなんか荒れたってかまいはしない

富士山を卑下するような表現が複数個所ありましたが、これは痛快です。富士山って浅間神社の御神体でもあるし、崇め奉るべきものという認識が強く刷り込まれていますが、それはそれとして、富士山にも負けない我の強さも悪くないなんて思ってしまいました。

偉い人、周りが偉い人だと認識している人に無条件で媚びへつらう様な人間にはなりたくないです。

どんな真実そうな顔をしていたって、酒場の男の感情は生ビールよりはかないのですからね、私がたくさん酒を呑んだって帳場では喜んでいる、蛆虫メ!
「酔っぱらったからお先に寝さしてもらいます。」芙美子は強し。

自虐すぎるけど

それにしてもこの本に登場するのは、男も女も老いも若きも、駄目人間が多すぎる。

教養がないとかモラルがないという駄目っぷりもあるけれど、自分で自分を苦しめているような駄目っぷりもあって、哀れな気持ちになったりもしました。

やや自虐的過ぎるかもしれませんが、気分が落ち込んでいる時には激しく共感したり、励ましになってくれたりしそうな表現がいくつもありました。

愛情とか肉親とか世間とか夫とか
脳のくさりかけた私には
みんな縁遠いような気がします。
結局は客と女給の一騎打ちなのだ。ああ金に引きずり回されるのがとても胸にこたえてくる。店の女達が、たかるだけたかっておいて、 勘定になると、裏から逃げ出して行った昨夜の無銭飲食者の事を思うと、わけのわからないおかしさがこみあげて来て仕方がなかった。
私の蒲団は新聞で沢山なのですよ、私は蛆虫のような女ですからね、酔いだってさめてしまえばもとのもくあみ、一日がずるずると手から抜けていくのですもの、 早く私のカクメイでもおこさなくちゃなりません。
ああ何もこの世の中からもとめるもののなくなっていまったいまの私は、別に私のために心を痛めてくれる人もいないのだと思うと、 私はフッと鳩の様に死ぬる事を考えているのだ。
~中略~
静かに流れていく鳩の死んだのを見ていると、幸福だとか不幸だとか、もう、あんなになってしまえば空の空だ。
何もなくなってしまうのだと思った。だけど、鳥のように美しい姿だといいんだが、あさましい死体を晒す事を考えると侘しくなってくる。

旅に出たくなる

男尊女卑だったり生まれによる貧富の差だったりを考えると仕方がないと思われますが、不公平で理不尽な世の中で生きていくためにはお金が必要で、主人公はいつもお金の事ばかり考えている。

そして、嫌な現実から目を背けたくなると旅に出たくなる。これは、今もほとんど変わっていないのかもしれません。現代人も多くの人が同じように思っているでしょう。

どっか遠い旅に出たいものだと思う。真実のない東京にみきりをつけて、山か海かの自然な息を吸いに出たいものなり。 私が青い時間表の地図からひらった土地は、日本海に面した直江津という小さい小湊だった。 ああ海と港の旅情、こんな処へ行ってみたいと思う。これだけでも、傷ついた私を慰めてくれるに違いない。 だけど今どき慰めなんて言葉は必要じゃない。生きていても困る私、酌婦にでもなんでもなってお母さん達が幸福になるような金がほしいのだ。 なまじっかガンジョウな血の多い体が、色んな野心をおこします。ほんとに金がほしいのだ!

金・金・金。
みんなお金を欲しがるけど、文明が進んでやっと最近、「お金があっても幸せになれない」という事が分かる人が増えてきつつあるように思いますが、どんなんでしょうか?



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