「葉隠入門」三島由紀夫 ~武士道は生きている~
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三島由紀夫のバイブル的な本という事で期待して読んだのですが、思っていたようなものではありませんでした。
「侍時代の自己啓発本の解説書」といった感じでして、この本について成田祐輔氏が「自己啓発といってもかなり下級層向けのもの」とどこかで言っていたような記憶があります。
三島氏も、絶賛はしているものの矛盾点は多いと言っています。
このことから私としては、自己啓発で言われている事って、「逆もまた然り」という点が大切なのではないかなと思いました。
例えば、ベストセラーとなった「嫌われる勇気」等が典型です。当然、嫌われない方がいいのだけれど嫌われる事も時には必要だよ・・・ということです。
どの場面でどの考え方を採用するのか?言葉の裏読みをして深い思考ができるか?を、気にしていきたいと思いました。
目次
学ぶとは、いかにかっこよく見せるかということ
三島氏が若者について思った事。昭和初期から男性の女性化が始まっていたことは知りませんでした。
あるモダンジャズの店へはいってすわると同時に、隣の青年に話しかけられ、 「あなたの靴はオーダーか。どこでオーダーしたか。あなたのそのカフ・リングスはどこで買ったか。洋服地はどこか。仕立屋はどこか。」と、 矢継ぎ早に質問をあびせられた。
今も変わっていない。見た目をよくする為に、自分を聞かざることでかっこよくなれる(かっこよく見せられる)と思っている人が多くて、この傾向はこれからも変わらないでしょう。
一芸に秀でていても人間全体を忘れている
芸のある事はよくないと、この本の中では繰り返し述べられているけれど、いまいち理解できませんでした。
現代はテクノロジーの時代であると同時に、芸能人の時代である。 一芸にひいでたものは、その一芸によって社会の喝采をあびる。同時に、いかに派手に、いかに巨大に見えようとも、 人間の全体像を忘れて、一つの歯車、一つのファンクション(機能)にみずからをおとしいれ、またみずからおとしいれることに人々が自分の生活の目標を捧げている。
本物の芸ではなく、結局は承認欲求を得たいだけだという事を批判しているのでしょうか。
とはいえ、令和時代の今は芸能人がもてはやされる傾向も変わってきています。
マイホームを手に入れてもなにもない
今の社会状況を予言されているみたいで、先見の明がすごい
現代は、生き延びることにすべての前提がかかっている時代である。 平均寿命は史上かつてないほどに延び、われわれの前には単調な人生のプランが描かれている。 青年がいわゆるマイホーム主義によって、自分の小さな巣を見つけることに努力しているうちはまだしも、いったん巣が見つかると、その先には何もない。 あるのはそろばんではじかれた退職金の金額と、労働ができなくなった時の、静かな退職後の、老後の生活だけである。
ただ長生きしても仕方ない。どう生きるのか?どう生きたいのか?本当に考えないと意味がない。
準備の大切さ
私は準備をする事が楽しくて好きなので、いい傾向かもしれません。
長い準備があればこそ決断は早い。そして決断の行為そのものは自分で選べるが、時期は必ずしも選ぶことができない。 それは向こうからふりかかり、おそってくるのである。 そして生きるということは向こうから、あるいは運命から、自分が選ばれてある瞬間のために準備することではあるまいか。
老後の準備ばかりをしても仕方ないとよく言われますが、自分の人生について考え、考えられる事に対する準備をなるべく整えておこうという事は悪くなさそうです。
死を恐れる必要はない
まだ少し早いかもしれませんが、そろそろ死ぬことについての自分の考えを持っておきたいと思っています。
「生きているかぎり死は来ず、死んだときにはわれわれは存在しないから、したがって死を怖れる必要はない。」
死が怖くなったら、このこのこの言葉を思い出したいです。
精神の化粧
葉隠れは、精神の化粧を憎んだとのこと。
『葉隠』のいう美は愛されるための美ではない。対面のための、恥ずかしめられぬための強い美である。 愛される美を求めるときに、そこに女風が始まる。それは、精神の化粧である。
それから、私がメイクすることやファッションに気を遣う事があまり好きではない理由が、異性から愛されようとする媚びた姿勢につながる感じに嫌悪感を感じているのだと気づきました。私も強い美の方が好みです。
ナチュラルメイク派の拡張として、精神の化粧もナチュラルに、なるべくしないようにしていきたいです。
誤ちのひとつもないものはかえってあぶない
他人の失敗を許せないところがあります。同じような失敗を二度と繰り返したくない・・・。二度と騙されたくない・・・。
でもだからといって、絶対に失敗しない人って危ないですよね。
あやまちのひとつもない者は、かえってあぶなくてしょうがない
車や家も中古の方が安全性が高い気がします。まぁ実際、いつ不具合が出るかは運の要素が強いと思いますが・・・心得ておきたい言葉です。
一生修行、定説なんて持つな
自分なりの考えや答えを持ちたいと思っています。でも、それは思考の凝り固まった融通の利かない老人になる事ともいえるでしょう。
とにかく修業は一生やめてはいけない。自分で見いだしたぐらいのものをもって、これでもうよいと思うことなど、とんでもない話だ。
自分なりの考えは持つけれど、柔軟にアップデートしていく事が必要ですね。
身だしなみは風流心ではない
「外出先で事故にあったりして、いつ救急車にのって服を脱ぐことがあってもいいように、キレイな下着をつけている」という考えに似ています。
身だしなみに気をくばることは、一見しゃれ者みたいにみえるかもしれないが、それは風流心からくるのではない。 いますぐにも討死だと決意をし、仮に何の身だしなみもなしに討死したら、ふだんの気のゆるみもあらわれ、敵に馬鹿にされ、いやしまでたりするので、 老いも若きも身だしなみに気を配ったのである。
精神の化粧と同様に、異性の気を引くためのオシャレには、あまり興味がありませんが、こういう意味での身だしなみは整えておきたい。
それから、これに関連して若侍が、「出会って話し合うことはすべて、金、銀の噂や、損得の考え、家計のこと、衣服の品定め、色欲の雑談だけ・・・」とか、 「若い人が倹約心などあるのを、よいやりくりであるなどとほめるのは、あさましい限りである。倹約心などのあるものは、けっきょくは義理を欠くことになるにきまっている。」とも書かれていました。
まぁ現代は倹約(無理なあさましい節約ではなく適切な倹約)をしないと生活するのが難しい、変化の激しい時代という見方もできると思いますが、「節約のし過ぎで義理を欠く」という事はないように気を付けたいと思います。
義理を欠くことのなき様、急ないざという時に出せるお金に余裕を持っておくために、日々の倹約をしておきたいところです。
よいところの学び方
良い手本を選んで一生懸命に取り組めば、そこそこの成果は得られるだろうというのはその通りだと思います。
礼儀作法一式はだれ、勇気はだれ、ものの言い方はだれ、品行の正しいのはだれ、律儀な人はだれ、いちはやく度胸を定めるのはだれ、 といったぐあいに多くの人のなかから、それぞれの長所や特徴を選んで学びとるようにすれば、結果として、よい手本ができようというものだ。
あの人みたいになりたいというずばりの人がいないと探していましたが、この様なお手本の作り方は良さそうです。
大雨の戒め
数か月前に、かなり久しぶりに、軒先で通り雨の雨宿りをしたのですが、その時のイメージが時々頭に思い浮かびます。
にわか雨にあってぬれてはかなわないと道をひた走りして軒下などをとおったところで、ぬれることにかわりはない、 はじめからぬれるものだと得心していれば、ぬれたとしてもなんら苦にはならない。
あの時、とっとと、堂々と雨に濡れて早く家に帰ってもよかったのかもしれません。そういえば、イギリス人はめったに傘をささないとか聞いたことがあります。
始めに勝つが始終の勝なり
いつでも挽回できる。いつか挽回すればいい。なんて思いがちです。
最後に勝った人が勝ちだと思っていたところもあります。
いったん下になっているとき、もしだれかが双方を引き分ければ、けっきょく負けたことになってしまうということだ。
でも、そんな風に時期を区切って考えている時点で負けなのかもしれません。
勝負にこだわらなければいけない際には、常に相手に負けない勝ちの意識を持つ事が必要です。(決して口に出す必要はないけれども)
利口さを顔に出すと信用されない
スゴイねと言われたいとか、頭がいい人だと思われたい欲があります。
利口さを顔に出す者は、何かと信用されにくいものである。 落ちつきはらい、しゃんとしたところがなくては、姿格好がよいとはいえないのである。 うやうやしく、にがみがあって、調子の静かなのがいちばんだ。
でもそれは、一時の優越感を得たいがための哀れな自己満足で、その一瞬いい気持になったところで、なんら得られるものもないでしょう。
周りから見たら、利口そうな人なんて単なる煙たい存在というだけですね。
困難にあったら喜べ
それなりの年齢になった事もあって、困った事が起きてもそれほど動揺しない様にはなりました。
これはいってみれば、ひとつの段階を超えたところである。「水増せば船高し」
ですが、困難にあってよかったとまではまだ思えていなかったので、これはぜひ取り入れたい考え方です。
自分一人でやろうとしない
なんでも自分一人でやる方が上手くいくと思ってしまいがちです。
ふつうの人は、自分の考えだけですましてしまうために、いっそうの飛躍がないのである。 人と相談することが、さらに飛躍する根本である。
~中略~
添削を人に頼むという事こと自体が、すでに人より上のことなのである。
たしかに、合わない人と組むよりは一人でやった方がよい結果を得られる場合もあります。
でも、もっとよい結果を得ようと思うなら、「一人でやってそれで満足」の先へ行くやり方に取り組む必要がありますね。
芸事上手はただの馬鹿
不器用だし、他人より秀でた一芸なんて何もないという事にコンプレックスを感じて生きてきました。
芸事について上手といわれる人は、とかく馬鹿みたいな者である。 これは、ひとつのことにただひたすらに執着するといった愚かさから、よけいなことはいっさい考えないで上手になっただけである。 こうした人間は、じつのところ、なんの役にも立たないものである。
一芸にひいでた人はかっこよく見えるし、もてはやされる傾向はあります。実際に多くの人がそういった人に憧れます。
でも、こういった見方もあるんですね。なんだか、心が軽くなりました。
特技がなくて苦労ばかりの、かっこ悪く見える人生も捨てたもんじゃない(笑)
名誉と富に執着せよ?!
名誉と富なんて執着しちゃいけないものの代表格です。
名誉と富に執着のない者は、おおかたつまらない人間になって人をののしり、高慢で役立たず、ついには名誉と富に執着する人間に劣ってしまうものである。
屁理屈おじさん的思考と言えそうですが、こういう考え方もありますね。面白いです。
初対面の慎ましさを忘れずに
親しくなって人付き合いが雑になってくると嫌なところが目につき、だんだんと離れていきまた別な人と付き合うようになる・・・人付き合いはそんなことの繰り返しです。
いやな感じをもっていても、その人と出会うたびに愛想よく挨拶し、なんど会っても飽きないように努力し、心してつき合うべきである。
どんな人でもいずれはそうなるし、人間は沢山いるから、次々と新しい人に出会えば問題はないでしょう、多かれ少なかれ誰でもそんなものではないかなと思います。
ですが、だからこそ、初対面の慎ましさを忘れずに、なるべく長く付き合えるようにすることが大切だと思いました。
チャンスを逃すな
自己啓発本を読んだり、人生で成功するための方法を学んだりしても、勝つコツなんてないのかもしれません。
必勝のコツなど知らない。ただ、チャンスをとらえて逃がさないことだけを会得した
これは上杉謙信の言葉だそうです。どういったモノ・状況がチャンスであるか?という知識は必要ですが、「チャンスを絶対にのがさない!」という気合を持っておくことはもっと大切にしたほうがよさそうだと思いました。
沈黙は金
人って本当に噂話が好きですよね。
人のことをあれこれというのは大きな損失である。といってまた、ほめるのも似合わないことである。 とにかく、身のほどをよく知って、自分自身の修行に努力し、口をつつしむのがよい。
あとは、自分の利益ばかりを考えて、楽しようとダラダラしているばかり・・・そんな生き方は改めたいです。
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