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「愛の渇き」三島由紀夫

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不倫され続けた妻が夫を亡くし、舅と関係を結びつつも若い男に惹かれてその恋人に嫉妬するというドロドロな人間関係の中での情念や嫉妬について描かれた作品です。

部分部分の思いは分かるところもあるのだけれど、なにかがどこかがずれていて、だから上手くいかなくてどんどん苦しくなる。そして、そういった無理がある関係性って不幸な結末にしかならないのだと改めて感じました。

でも、解っているけどどうしようもない意識とか心の動きってどうしたらよいのでしょうか。この作品の結末の様な極端な事にはならないにせよ、そうなる前に、諦めるとか自己解決して、自分の人生を大切にしたいところです。

思い込みが世界を変える

素足で歩いては足が傷ついてしまう。歩くためには靴が要るように、生きてゆくためには何か出来合いの「思い込み」が要った。 ~中略~ 『それでも私は幸福だ。私は幸福だ。誰もそれを否定できはしない。第一、証拠がない』

主人公の悦子は、物語の中でどんどんおかしくなっていくけれども、そうなる前のかなり前半部分の描写です。これはいい感じの考え方。

辛い現実から自分を守るために、自分は幸せだと思い込む事。嘘でもそう思い続けていれば、世界は幸せに見えて来るような気がします。

明日への希望

朝が来るには、まだ義務のような長い眠りが要る。悦子は明日に繋ぐべき希望を探した。 何か、極く小さな、どんなありきたりな希望でもよい。それがなくては、人は明日のほうへ生き延びることができない。 明日に残っている繕いものとか、明日旅立つことになっている旅行の切符とか、 明日飲むことにしてある壜ののこりのわずかな酒とか、そういうものを人は明日の為に喜捨する。 そして夜明けを迎えることを許される。

明日は本当に来るのだろうか…と、孤独で不安になる夜が思い出されるすごく素敵な表現で気に入りました。

私はよくご褒美のスイーツなどを食べ過ぎてしまう事があるのですが、この考えを当てはめて「明日への希望」として、少しとっておくのもいいかも!

容易な人生と困難な人生

ある人たちにとっては生きることがいかにも容易であり、ある人にとってはいかにも困難である。
~中略~
『容易なほうがいいにきまっている』と彼女は考えた。
~中略~
困難のほうはすぐ生きる上の言訳にされてしまう。生きることが難しいなどということは何も自慢になどなりはしないのだ。
~中略~
私にとって生きることの困難は、私を護ってくれる鎧にすぎないのだ

なんでも思い通りにいってすべて手に入れている人生が容易な成功者と苦労が絶えない困難な人生を歩む人のどちらが幸せなのでしょうか?

愛することは人生の幸福において大きな要因であるという人は多く、愛とは何か?幸せとは何か?という事がこの作品のテーマでもあるけれど、愛も幸福も人生の本質ではないと思います。

人生が容易であっても困難であっても、思うような愛や幸福を得られなくても、人生とはもっと別の絶対的で根源的なものがあるような気がするんですよね。

脳髄の失禁のような悲しい男の思考力

お祭りの雑踏中で(三島由紀夫はこういうシチュエーション好きだよなぁ笑)恋する相手の肉体に心動かされていた際、義理の兄の発言

恋愛なんて、記号が記号に恋してるに過ぎないんですな。
~中略~
混沌と混沌、無個性と無個性の単性繁殖にすぎませんよ。男性も女性もあったものじゃありませんよ。

義理の兄がこんな風に恋愛を、恋する女の心を馬鹿にした事に対して・・・

悦子は失笑した。耳もとでたえず呟いている、むしろ失禁しているようなこの男の思考力。 そうだ、これはまあいわば「脳髄の失禁」だ。なんという悲しげな失禁だろう。この男の思想は、丁度この男のお尻ぐらい滑稽だ。

と、男の言い草をケチョンケチョンに言う様が痛快!やっぱり女性は強いなぁ。

男女関係はうまくいかない

若者が少女のそばにいた。その当然の成行として、三郎は美代に接吻した。交接した。 そして美代の腹には子供が芽生えたのである。また何かしらん当然の成行によって、三郎は美代に飽きた。 一そう子供らしい戯れはさかんになったが、少なくともそんな戯れは、相手が美代でなくても誰でもよかった。 いや、飽きたといっては妥当を欠くかもしれない。美代が三郎にとって必ずしも美代であることを要しなくなったまでである。

男ってこういう生き物なんですよね。大昔からそうであるのに、この事実は、事実ではなくてもっと尊く、論理的に説明ができる理由による行動の裏付けがあると信じられている謎。

そしてさらに・・・

三郎は人間がいつでも誰かを愛さないなら必ず他の誰かを愛しており、誰かを愛しているなら必ず他の誰かを愛していないという論理に則って行動したことがたえてなかった。
~中略~
三郎は感情よりも世故の教える判断に頼ろうと考えた。これは子供のころから他人の飯を喰って育った少年には、ありがちな解決である。

人生において恋愛をあまり重要としない人もいる。愛することについてほとんど全く考えない人もいる。もちろん、愛こそすべてで、つねに誰かを愛している人もいるし、同時に複数の人を愛する人もいる。

それで、とにかく目の前で起きている問題を穏便に収めようということだけを考えて行動し、それが、「嘘をついている」とみなされて男女はすれ違うんですよね。

うーん、なんだかこうやって客観的にみると、なんとくだらないというか…。こんなの男女関係が上手くいく方がおかしい。人間の心の動きの「バグ」ですね。


「愛の渇き」三島由紀夫



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