「光あるうちに光の中を歩め」トルストイ
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「どう生きるのか?」について問いかけるキリスト教徒とキリスト教徒ではない人との掛け合いを軸にした物語でした。
生きる知恵を伝えるための物語としての宗教
生きるとはどういうことかについて、人々は様々な切り口で考え、その知恵を代々受け継いできています。
そして、抽象的な事を人に伝える為には物語が必要で、その一つが宗教なのかなと捉えています。
とはいえ、私は多宗教というか無宗教というか特定の信仰対象をもっていないので、キリスト教の考え方を正しく理解できていません。なので、この本を読んでもいまいちピンとこない部分が多かったです。
古くなってしまった知恵
また、キリスト教徒ではないからという理由ではなく、時代が変わったからという理由で古くなってい舞っている概念もあるように思いました。
例えば、「労働は喜ばしいものだ」という考え方。
今の日本には、なくてもいいような仕事があふれており、少子高齢化と人口減少で経済が衰退していく中、労働は必ずしも必要な物ではなくなってきています。
そしてこの事は、最近、自分が子供の頃に教わった事の中に嘘が多いと、憤る事が多かったのですが、意図的で悪意ある嘘ばかりでなく、予想できなかった時代の変化によって図らずも嘘となってしまった事もあると気づきました。
変わらない事
宗教・科学・お金と信じるものが変わってきて、
小さな集団・大きな社会・SNSと所属するコミュニティが変わってきて、
人生の過ごし方も、労働する事から自分の快楽や喜びをただ味わえばいいというフェーズへと移り変わってきているように思います。
こんな世の中になるなんて、原始キリスト教時代の人たちは想像していたでしょうか?
「光あるうちに光の中を歩め」
人生は一方を選んだらもう一方を選ぶことはできません。
迷いながら選択の連続で人生の歩みを進めていく中で、「あの時ああすればよかった」と思うことは沢山あります。
どれだけ考えても、むしろよく考えるほどに、その思いは強くなるのかもしれません。
でも、どんな人生の選択をするにしても、どんなに社会が変わっても、この悩みから逃れることはできず、ただ自分の人生を歩むしかない事は変わりない事なのでしょう。
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