「くよくよマネジメント」津村記久子

作成 2013年9月10日（2024年1月12日更新）

芥川賞作家さんのエッセイ。レビューがよかったので読んでみました。

一見緩い感じだけど、意外と深くて、(いい意味で)ちょっとひねくれているような癖があって、共感できる部分が多かった。

以下、参考になる考え方などのメモ

心に残ったところ

くよくよ考える事が必要ならばそうしていればよい。くよくよか？さばさばか？ではなく、大事なのは思った事を口にするかどうか。
余裕は装うものではなく内面から透けてくるもの。みんな生きることに必死だし、必死で良い。
不要なものを捨てるには、自分の判断を信じることが大切。
趣味は十年やって下手くそでもその時々を楽しめればそれでいい。見栄えの良い趣味である必要はない。
素晴らしいねとかセンスがいいねと褒められたくて、よく見られたい願望に取りつかれて自由になれないのは時間の無駄。
趣味は素敵に見られるためのものではなく、自分の幸せのためのもの。
食べ過ぎる癖と同じように、心配しすぎるのも考え方の癖。心配事をカテゴライズして書き出すとか、好きな事を考えるとか意識的に心配するのをやめる行動を持っておくとよいかも。
流行にいち早く乗ることを良しとする風潮があるけれど、流行おくれでも、静かに自分の好きなものをゆっくりと味わう事も豊かさを享受する方法の一つ
世の中は、善悪・上品下品・妥当か否かでもなく、エネルギーの強いほうへ流れていく。なので、くよくよしてエネルギーのやりくりをして生み出せた力は、自分をしんどくさせているものを動かす事に向けるとよいかも。
未来のわたしは「間抜けで文句言いの疲れた客」。そんなお客様を接待するように、想定できる事は備えておいてあげる。しょうがないし、何だかんだ憎めないお客様だしね(笑)
妬み深い等目をそむけたくなる自分の欠点も、自分だけは嘘をつかず、隠さず直視して管理する。自分自身は嫌われても離れていかない人だから、それが合理的。
自分の持っているものを他人に見せびらかして「私って幸せでしょ？」という行為は的外れ。
自分が自分自身の中で感じる幸福度は絶対的なので、人間の外側の充実度ではなく、内側にある自分を幸せだと感じられる力を大事にするとよいね。
まだ挑戦の余地があるものを持っているのはよいもの。これ以上学ぶことはないなぁとかもう成長できないなぁなんて倦怠感を感じたら、やりたいけどやっていないちょっと手のかかることリストをつくってみるといいかも。
ばれない嘘を嘘だとわかるのは自分自身だけ。自分に正直であれというのは奥深い。
自分をうまくだます言葉ばかりを探すのはよくない。自分自身への口のうまさは問題を先送りにするばかり。
ザッピングの様な声掛け：相手を狂気に追いやってしまう事がある。ex「どこへ行くの？」「遅くならないように」「その格好でいいの？」と畳みかける等。これをされると統合失調症の再発率が上がるとの研究結果あり。
嫌そうに睨むだけでは人は動かせない。自分の判断で変えられる小さなことを探して少しずつでも実行していこう！
一人で乗り越える辛い事と誰かといて楽しい事はバランスして成り立っている。寄りかかろうとしなければ人は人とまた会えると思う。
「言わない」という心の保存方法もある
ダメンズばかりを好きになる人は、ダメ男が自分にとってのおなじみで安心できるから。解決策がなくてどうでもいいおなじみの問題に安住しないよう。
できることから手を付ければ前に進める。心の動きは意外と考え方の癖に支配されている。癖は単なる癖であって意思ではない。
誰かと競わずにいられない人は自己満足できていないから？自分の技能向上になるとかならたまには戦いに乗ってみてもいいが…戦わないでいられることも能力の一つ。
その事がいくら好きでも、「誰誰よりうまくできた」という証明が欲しいわけではない。一人で好きを楽しむのっていいんじゃない。
不良学生は学校が望む方向性ではないが真面目。
ルールの中で何もしない人は面倒を避けてる仮面真面目(不真面目？)な人ともいえる事で、まじめなふりをする事はエネルギー節約になる。
素のままで通用する人なんていないから、無難に真面目であることは、とても簡単な保身の一つ。仮面真面目は気楽でいられるよ。
真面目なのって泥臭くて惨めに思う事もあるけど、不器用さを補いつつコツコツやることで身につくものがある。
時間には限りがあるので、やりたい事は早めにやっておいた方がいい。
衝動と願望：衝動は強いけど長続きしない。願望は目減りしづらく心が満たされやすい。難しいけどやりたい事を信じられる事が大切。
「人は人、自分は自分。」人は自分のようには考えないし、自分のようにはできない。他人には言ってはいけないことがある。
傍らにあるものや自分の手に回ってきたものや人間関係に愛着を持つことは大切。それはとても個人的で他と比べられない絶対的な感情。親バカみたいなもの。
感情の全部がそれだと問題はありそうだが、自分が認識しているならば何割かは親バカでよいと思う。
言葉と心は相互作用を及ぼすが、その言葉は本当にそう感じている心からの言葉なのか？「貴方がいなければ生きていけない」とかのよくあるフレーズ。
フレーズニとらわれると不自由になるよ。本当に自分はそう思っているのか？言葉に対して誠実にいたい。