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谷崎潤一郎「陰影礼讃」名言紹介&考察|日本人の肌は汚い?「厠の美」から読み解く東洋の真髄

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真っ暗な店内でちょっと変わったコーヒーゼリーをいただけるカフェがあるとのことで、足を伸ばして行ってみたことがあります。

黒くて重々しい扉を開けるのには少し勇気が必要だったけど、薄暗い空間は思っていた感じと違ってとても落ち着き、美味しさとともに丁寧で温かいおもてなしを頂けて、よい体験ができました。

それで、とあるインタビュー動画で、そこのオーナーがお店を作った理由として、「谷崎潤一郎の陰影礼賛の影響がある」と、語っているのをみまして、気になり、読んでみました。

陰影礼讃 暗がりのコーヒー
陰影礼讃 暗がりのコーヒー

谷崎潤一郎「陰影礼讃」の書籍概要

タイトル:陰影礼讃(いんえいらいさん)
著者:谷崎潤一郎
発表年:1933年(昭和8年)
ジャンル:随筆、評論

【簡潔な】あらすじ要約

陰影礼讃は、近代化によって西洋から取り入れられた「光」と「明るさ」が、日本の伝統的な生活空間や文化が持つ「陰影の美」をどのように破壊してきたかについてを論じる随筆(エッセイ)です。

谷崎は、西洋の徹底的な明るさを善とする文化に対し、日本の漆器や建築、女性の化粧、能楽などは、むしろ微かな光の中で生まれる薄暗がりや曖昧さの中にこそ本質的な美しさを見出してきたと主張します。

たとえば、金細工や漆器は明るい場所ではなく、座敷の暗がりの中でこそ深く艶めくと述べ、日本の美意識は「陰翳(いんえい)のなかでこそ生きる美」であると礼賛しています。そして、もしも日本人自身が科学技術を持っていたなら、現在の西洋文明とは全く異なる「闇の文明」を築いただろうという独自の文明論を展開しています。

谷崎潤一郎「陰影礼讃」名言紹介と考察

古日本の厠の美しさ/美の哲学と美意識

この本「陰影礼賛」で書かれているところの美しい厠の条件は…

或る程度の薄暗さと、徹底的に清潔であることと、蚊の呻りさえ耳につくような静かさとが、必須の条件なのである。

分かる!高級な老舗料理店のお手洗いなんて、まさにそれを表現しようとしているところは多いですね。それから、子供の頃に、ちょっと嫌だったけれどきれいに掃除されているなと感じていたおばあちゃんの家の古い和式トイレを思い出しました。

あれこそ、今は失われてしまった昔の日本家屋の古き良き美しさだったと感じます。

それから、トイレが母屋から離れたところにある不便さについて…オシャレは快適さを我慢する事だなんていうけれど、建築的な美も同じ様です。

「風流は寒きものなり」という斎藤緑雨の事の如く

西洋のものをなんでのそのまま取り入れる事への提言がなされていて、たとえば音楽について、蓄音機なんかは音を大きくさせればいいと思っているけど、「日本的な音楽の良さはもっと控えめなところにあるし、日本人は声が小さいし、言葉数も少ないし、間が大事だ」と書かれていました。

私はHSP気質なので、大きな音が苦手だと思っていたけれど、日本人的な美意識に忠実なだけなのかもしれません。

もちろん、西洋か?日本か?の2択ではないし、どんなに好きなものでもすべての要素が大好きという訳ではないです。

ですが、生まれながらにして持っている根本的な美意識の概念が、西洋音楽のそれと違和感があるという点については、なんとなく分かっているけど触れられたくない事実として蓋をしていたのにこじ開けられてしまった気分がしました。

とはいえ、私にとっては運命を感じるくらい古い洋楽は特別に大好きなものであって、日本音楽にはそういう特別感は感じないのだから、好みや美の基準って複雑です。

そして、世界基準で見た時に、音や音楽についてのもっと日本らしい最上の美は、まだまだ発展途上なのかもしれません。

美しさとは?東洋の美とは?

世界の中で負けない東洋を競う事はないけれど、東洋人であるならば、それを活かした東洋のよさや美しさは大事にしていきたいと思っています。

西洋人の云う「東洋の神秘」とは、かくの如き暗がりが持つ不気味な静かさを指すのであろう。

暗いとか、静かとか、声が小さくてあまりしゃべらないとか…
今の日本人の間でもあまりよしとはされない価値観だけれども、私は意外と好きだし、自分自身の特性はこっち寄りだとも思っています。

なので、陰影礼賛とはつまり「暗いのものも悪くないよね」ってことで、自分を認めてもらっているような嬉しさがあります。

西洋が良くて東洋はダメだとか下だとかではなく、明るいのが良くて暗いのはダメではなく、ステレオタイプにとらわれずに、良さを見出そうとする心は大切です。

むしろ、良いとされるものの対極にあるものには、美しさ等良さが必ずあるはずです。

明るいところで見るのではなく暗がりで感じる美しさ

美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰影のあや、明暗にあると考える。
夜光の珠も暗中に置けば光彩を放つが、白日の下に曝せば宝石の魅力を失う如く、陰影の作用を離れて美はないと思う。

ちょっと褒めすぎている気もするけれど、暗がりの中にあるものを美しく思う気持ちにはすごく共感します。

全部を知らない方が美を感じるとか、全部見えなくて不完全だからこそ美しいとか、人気のyoutuberも顔出ししないであご先だけがちらっと見えるから美人ぽく見えるとかね。

外国人がそういう演出をしているのを見たことはなくて、みんながっつり顔出しして満面の笑顔でドアップでアピールしてくる。

もうこういうのは、民族的に刷り込まれている価値観なのでしょう。

西洋にあこがれはあるけれど、無理したり、そのままを取り入れたりはやめて、自分の美しさの基準もプラスして自分に合うものに仕立て直す気持ちを忘れないようにした方がよいかもしれません。

ストレートに見て受け取る美しさではなく、心で深く感じ取る美しさを理解できる人であいたいものです。

日本人の肌は汚いのか?独自の美の基準を持てたら…

私の肌はくすんでいます。年齢のせいもあるけど、元々黄色みが強くて子供の頃から、自分の肌は均一で真っ白だと思った事はなくて、リカちゃん人形などのつるつるの肌には違和感を感じていました。

でも、だからといってくすんだ肌を汚いと思っていたわけでもないのだけれど、この本の中では結構散々な言われようをしています。

日本人のはどんなに白くとも、白い中に微かな翳りがある。
そのくせそう云う女たちは西洋人に負けないように、背中から二の腕から腋の下まで、露出している肉体のあらゆる部分へ濃い白粉を塗っているのだが、それでいて、やっぱりその皮膚の底に澱んでいる暗色を消すことが出来ない。

現代の化粧品の技術はすごくて、コンシーラーを使うと、シミやくすみは本当になかったかのように消せて、均一な肌色を作れます。

でも私は化粧が下手なので、化粧崩れとかはするし、べた塗りすればいいってもんでもないので、ナチュラルメイクを目指してなるべく薄化粧にしたりすると、やっぱりくすんでいる気がするんです。

それは、日本人にとっては仕方がない事なのかもしれません。そして、100年も昔の男性に哀れな西洋女性へのかなわぬ憧れを見抜かれているとは、恥ずかしい気持ちになりました(笑)

そんなくすんだ肌も美しいと大絶賛はしてくれていないところが寂しいけれど、ありのままでいいのかなと…。(きっちりと、ゴリゴリのスキンケアをするのが面倒くさいので、シンプルケアを肯定したい。)

人間の外見的・文学芸術や音楽等、美しさは探求され続けていて、美しさの基準はそれぞれだし、一番美しいものは決められません。自分にとっての美がはっきりしていればそれでいいと思います。陰影を美しいと感じるように、肌のくすみにも美しさがある。

とはいうものの、今の日本人の感じる美しさは、ぶれまくりすぎていないでしょうか?画一的で極端な美容整形依存に傾きつつあることも心配です。周りに流されて、そもそも、自分にとってどういうものが美しいのかさえ分かっていない人が多い様に感じます。

陰影を美しく思う感性は、東洋人である私自身にとって民族的に呼応し、ひいき目で見てしまうところもあるかもしれません。ですが、この美の基準は大事にしつつ、今を生きる日本人の自分として、個人的な美の基準をアップデートし、他人と違っていても、グローバルスタンダードではなくても、ぶれない「私の美の基準」を明確にし、自分が思う美しいものを素直に美しいと感じて、人生を楽しんでいきたいです。

もし日本人がこのユニークな美の視点を持てたならば、今度こそ、西洋とは違う独自の美の基準からなる文化を築き上げることができるかもしれません。

まとめ:陰影に宿る美を再発見し、独自の文化を築く

「陰影礼讃」が示した厠(かわや)の美から、暗がりで完成する東洋の美意識、そして日本人の肌の色への独自の価値観まで、谷崎潤一郎の驚くべき視点を追体験してきました。

谷崎が描いたのは、西洋の「光と明るさ」によって見失われつつある、曖昧で奥ゆかしい「陰翳の美」です。そして、この陰翳の哲学は、現代を生きる私たちが自身をどう捉えるかという問題に直結しています。

私たちが西洋の基準に照らして「欠点」とみなしがちな日本人の肌の「くすみ」や落ち着いたトーンも、もし光を強く当てるのではなく、柔らかな陰影の中で捉え直すことができたならどうでしょうか。それはもはや「汚い」ものではなく、奥ゆかしい光沢と深みを持つ、独自の美しい質感として再評価されるはずです。

谷崎の時代、それは夢物語で終わりました。しかし、現代を生きる私たちがこのユニークな美の視点を持てたならば、西洋の基準に追従するのではない、独自の美の基準からなる文化を今度こそ築き上げることができるかもしれません。

「陰影礼讃」は、単なる古典的な随筆ではありません。私たちが西洋びいきの凝り固まった概念を破り、自分たちの足元にある美を見つけ直すための、力強い羅針盤です。ぜひ、この本を手に取り、部屋の明かりを少し落として、その「陰影」に潜む日本の美の本質を再発見してみてください。



おまけとして・・・
読書のお供に羊羹をかじるのもよいものでして、「陰影礼讃」の中にこんな記述もありました。

かつて漱石先生は「草枕」の中で羊羹の色を讃美しておられたことがあったが、そう云えばあの色などはやはり瞑想的ではないか。玉のように半透明に曇った肌が、奥の方まで日の光りを吸い取って夢みる如きほの明るさをふくんでいる感じ、あの色あいの深さ、複雑さは、西洋の菓子には絶対に見られない。

谷崎潤一郎も夏目漱石も、私の好きな作家で、他の作品についての記事もいろいろ書いていますので、良かったらチェックしてみてくださいね。
夏目漱石の「草枕」についての記事はこちら



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