「新しい道徳」北野武が問う人生哲学|支配された道徳を捨て、自分だけの「生き方」を作る方法
作成
平日の昼間、好きな本を読みふけりながら、「こんな非生産的なことをしていていいのだろうか?」と、どこかで背徳感に苛まれたことはありませんか?
この感覚は、私たちが幼い頃から無意識のうちに刷り込まれてきた「勤勉であることは善である」という、誰かにとって都合の良い「道徳」に支配されている証拠です。
北野武の著書「新しい道徳」は、私たちが薄々気づいていたけれど、あえて言語化してこなかった社会の矛盾や、偽善的な道徳観に鋭く切り込みます。あなたを「不道徳」だと責めるのではなく、「あなたの考え方は間違っていない」と認めてくれるような、一種の哲学書です。
そこで、「新しい道徳」の核心を読み解き、どうやって社会が敷いた道徳のレールを外れ、自分だけの筋の通った「生き方の哲学」を構築するか?」について具体的に解説します。
目次
北野武「新しい道徳」の書籍概要
タイトル:新しい道徳「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか
著者:北野武(ビートたけし)
発表年:2016年(平成28年)
ジャンル:評論、思想
内容要約
「新しい道徳」には、社会や学校で教えられる道徳を絶対的なものとして捉えるのではなく、その本質を問い直す哲学的な評論が、エッセイ的な親しみやすい切り口で書かれています。
著者の北野武氏は、道徳は法律とは異なり罰則がなく、時代や権力者の都合で変わり続ける「相対的な技術」であると指摘します。例えば、「勤勉であること」が道徳とされるのは、それが社会の支配者に都合が良いためだからなのです。
そして、ウサギとカメの物語のように、世間一般の道徳をただ守るだけでは意味がないと主張します。
最終的に、本書が提唱するのは、誰かに押し付けられた価値観を捨て、自分自身で「どう生きるか」という哲学に基づいた筋の通った行動原理(=新しい道徳)を構築し、自分の人生の責任を自分で負うことの重要性です。
「新しい道徳」の核心:北野武が打ち破る3つの常識
北野武は、私たちが絶対だと信じがちな既存の道徳観に対し、冷静かつ突き放した視点を提示します。その核心は、道徳は絶対的なものではなく、「変わり続ける相対的な技術」であるという点にあります。
道徳は法律ではない
道徳には罰則がありません。それは、時代や文化、そして「誰が作ったか」によって簡単に変わりうる、あくまで人間関係を円滑にするための技術です。絶対的な道徳はない、という事実を認識することが、解放への第一歩です。
道徳的な行動は「良心」ではない
道徳的に見える行動をとる人が、必ずしも良心を持っているわけではありません。道徳を守ることは、裏の意図を持った人や、自分の頭で考えられない情弱な人にとって、最も安全で楽な行動様式である場合があるのです。
勤勉は「誰かの都合」
「一生懸命働くのが偉い」という道徳観は、みんなが一生懸命働かないと社会が成り立たない時代、あるいは権力者が人を働かせたほうが都合が良い時代に植え付けられた価値観です。他人が遊んで暮らしていると不道徳に感じるのは、この価値観が深くしみついているからです。
【私の実体験】「不道徳の背徳感」の正体と解放
わたし自身、「多くの人が働いているだろう平日の真昼間に、仕事もせずにチェアにだらしない恰好でふんぞり返っている自分」に強い背徳感を抱いていました。これは、長年「勤勉であることは道徳的だ」という支配者階級が植え付けてきた価値観に毒されてことそのものです。
ですが、この本を読んで、道徳が相対的なものだと理解したことで、大きな気づきを得、心が軽くなりました。
非生産的な時間こそが幸せ
誰かにとって非生産的であっても、好きなことをしている時間は、この上ない幸せです。背徳感を感じる必要はなく、その感情こそが、支配者層が作ったルールに今も従っている証拠なのです。
贅沢と幸せは別物
どんなに高いワインよりも、喉が渇いた時の一杯の水の方がおいしいように、贅沢と幸せは別物です。清貧やミニマリズムが消費を落ち込ませるため「道徳的とされない」のは、経済成長を続けたい人々の都合であり、私の様なミニマリスト的な生き方とは大きくかけ離れています。
悩んで考えることこそ価値がある
ネットですぐに答えを知るのではなく、白か黒かではない中間(グレーゾーン)について悩み、考えること。この思想的なプロセスこそが、人としての深みを生む価値ある時間です。
大人になるということは、誰かが作った価値観の元から出て、自分の価値観で生きる決心をすることなのです。
社会で生きるための道徳と、自分だけの哲学
道徳は絶対的ではないとしても、社会で孤立して生きていくことはできません。道徳を捨てるのではなく、その役割を正しく理解することが大切です。
道徳は集団生活のための技術
道徳的であることは、社会の中で「私は怪しい人間ではありませんよ」と伝えるための人間関係を円滑にする技術です。例えば、挨拶をよくするのは、集団の中で利他的行動をすることで本能的に「気持ちよさ」が刺激されるからです。社会で生きていく限り、道徳的であることは「気持ちがいい」のです。
成功者は「自分なりの道徳」を持っている
成功する人が道徳的だと言われるのは、彼らが「誰かに押し付けられた道徳」ではなく、自分なりの哲学に基づいて筋の通った行動をとるからです。自分の行動原理が一貫しているため、周囲から信頼され、結果的に道徳的に見えるのです。
天才は「不道徳」な時代を作る
規則正しく真面目な生活を送ることこそが道徳だと信じれば、社会の敷いたレールの上を歩むことになります。しかし、新しい時代を作る人は、必ず古い道徳を打ち壊し、新しい道徳を作ってきました。キリストが貼り付けになったのも、古い道徳を破ったからです。
結論:自分だけの「新しい道徳」を構築する方法
私たちは、誰かに押し付けられた道徳に従い、馬鹿を見る人生をおくる必要はありません。人生を人任せにせず、自分の哲学で行動を律することこそが、「新しい道徳」の本質です。
そこで、自分だけの「新しい道徳」を作るための3つの行動が以下です。
古い道徳のリストアップと破棄
「一生懸命働かなければならない」「友達はたくさんいなければならない」など、自分が信じている道徳観をすべて書き出し、「誰にとって都合が良いか?」を問い直してみます。不要なものは破棄しちゃいましょう。
「どう生きるか」を定義する
自分の人生にとって何が真の幸せか、何が真の価値かを定義し、「自分なりの筋の通った決め事」を作ります。これこそが、自分だけの「my道徳」です。
道徳を「ルール」として楽しむ
道徳は、人生を面白くするための自分だけのルールだと捉えましょう。ルールがあるからこそゲームが面白いように、自分ルールを守ることに誇りと楽しさを見いだす様にします。
まとめ
北野武の「新しい道徳」は、人生を支配するかの如く、全身をぐるぐる巻きにしていた見えない鎖を断ち切るためのハンマー(タケちゃんマンのピコピコハンマーを強力にした感じ?笑)です。
「勤労」や「正しさ」といった既成概念に囚われるのをやめ、自分の哲学に基づいて行動を律してみてください。大人になることは、誰かの価値観の元から出て、自分の判断基準を持ち、人生の決定権を完全に自分で握ることです。
これができれば、自分らしく、もっと自由に生きることができる!この本を読めば、そのことに確信が持てるはずです。
おまけとして以下に、気になったフレーズをまとめます。
- 道徳が役に立つのはむしろ不道徳な人間で、道徳とされている事をすればいいだけ。道徳的な行動ができる事と良心を育てる事は別。
- どんなに高いワインよりも喉が渇いた時の一杯の水の方がおいしい。贅沢と幸せは別物。
- 清貧やミニマリストは消費が落ち込むので道徳的とされない。夢を持てとか有名になれというのが道徳的とされるが、経済成長が止まると困るのは誰か?ミニマリスト達ではない。
- 今の社会は、生きる事の本質から離れたところでカネが動くようになっていて、コツコツ努力と真面目さだけでは渡っていけない。
- 戦国時代もIT時代も上の人たちが奪い合っているのは人間。現代人はみんなスマホを使う事によって人間の時間を奪われている。
- ネットですぐに答えを知ることはできるが、白か黒かではなくて中間のグレーゾーンがあってそれを乗り越える為に悩んで考える事が思想的に価値がある。
- 人間はなぜ人を好きになるのか?人間とは何なのか?生きる意味とは?等分からないことが沢山あって、それを知ることが「無知の知byソクラテス」手軽に得られるのは手軽な知識でしかない。
- 学校で教わった道徳を絶対だと信じるとおかしなことになる。誰かに押し付けられた道徳に従うと馬鹿をみる。道徳は変わる。でも道徳が変わったからと言って自分を変える必要はない。
- 絶対的な道徳はない
- 道徳は人間関係を円滑にするための技術。例えば、外国人がよく挨拶をするのは自分は怪しい人ではないと伝えている。
- 一生懸命働くのが偉いという道徳観だったのは、みんなが一生懸命働かないと社会が成り立たない時代だったから。
- 勤勉や勤労が道徳なのは誰の為か?その方が都合がいい人がいるってことです。いつの時代も権力者は人を働かせたがる。
- 他人が遊んで暮らしていると不道徳な感じがするのは、勤労が道徳という価値観がしみついているから。
- 掃除や規則正しい生活が性に合わなくて出来ない人もいるがそれが道徳的ではないという事ではない。天才とは不道徳だったりする。
- 規則正しくまじめな生活をなんて道徳は、社会の敷いたレールにそって人生を終えるような人間になるためのようなもの。そういう人生が悪いとは言わないが…
- 友達が一人もいなくても幸せな人はたくさんいる
- 大人になるという事は、誰かが作った価値観の元から出て自分の価値観で生きる決心をするという事
- 時代を作る人は古い道徳を打ち壊し、新しい道徳を作っていく。キリストが貼り付けになったのも新しい道徳を作ったから。
- 人それぞれなんだから道徳は自分で作る。そのほうがカッコイイ。
- 自分なりの道徳とは、どう生きるかという事。道徳を人任せにせず、自分の哲学で行動を律する。自分の人生を人任せにしない事。
- ルールがあると人生は面白いから道徳はあった方がいい。自分なりに筋の通った決め事を作ってそれを守る。
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