大人になってからの読書は意味がない？脳と心を変える科学的効果5選

作成 2025年11月15日

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大人の読書は「義務」から「投資」へ

「若い頃はたくさん本を読んだけれど、大人になってからは忙しくて…」「今さら読書を始めても意味がないのでは？」

そう考えている方は少なくありません。しかし、大人になってからの読書は、知識を増やすだけでなく、脳の機能を維持・向上させ、心の安定をもたらすという、非常に重要な「自己投資」です。

そこで、「大人になってからの読書は意味がない」という誤解を解消するため、読書が脳と心に与える科学的かつ具体的なメリットを、信頼できるエビデンスに基づいて5つご紹介します。

読書が脳と心にもたらす科学的効果5選

大人になってからの読書は、健康寿命と精神的な豊かさに直結します。

脳の活性化と認知機能の維持・向上

読書は、加齢による認知機能の低下を防ぐ「脳のトレーニング」として非常に有効です。

エビデンスとして、高齢者を対象とした研究では、読書や手工芸などの文化的活動を行うことで、認知症のリスクが20〜29%減少する可能性が示されています

本研究では 13 市町の高 齢者 44,985 名を 6 年間追跡し、文化的活動への取り組みと、6 年間における認知機能低下との関連性を 調べました。 その結果、読書（新聞を含む）、手工芸、絵画制作に取り組む者では認知症リスクが 20-29％ 有意に低くなっていました。
（出典：高齢者の文化的活動による認知症予防効果に関する研究）

読書中、私たちは文字を読むだけでなく、物語の情景や登場人物の感情を想像します。この行為が、言語処理を司る脳の領域だけでなく、感覚情報を処理する体性感覚野など、複数の脳領域間の新たなつながりを促進し、脳の活性化につながると考えられているのです。

死亡率を低下させる長生き長寿効果で人生観が豊かになる

読書には、長生き効果が期待できる。

驚くほどストレートで強力な効果ですね。エビデンスとして、米イエール大学が2016年に発表した研究結果によると…

週に3.5時間以上本を読む人は読まない人に比べ、調査開始から12年後の死亡率が23%低い
（出典：「読書する人は約2年長生き｜米イエール大学の研究で明らかに」新聞科学研究所）

本を読むことで人生を楽しむ時間が増えるのならば、本を読むこと自体の喜びや楽しさと相まって一石二鳥といえるのではないでしょうか。老後の趣味としても最適かもしれません。

長生きができるということは、それだけ長く深く人生を楽しめることにつながるので、人生観の深まり、つまり、自分の世界が広がり、より豊かな人生を楽しめることにつながります。

ストレスを劇的に軽減するリラックス効果

忙しい大人にとって、読書は手軽で効果の高いストレス解消法です。

エビデンスとして、イギリスのサセックス大学の研究によれば、たった6分間の読書でストレスレベルが68%も軽減されるという結果が示されています。これは、音楽鑑賞や散歩、テレビゲームよりも高いストレス解消効果です（出典：サセックス大学）。

たった6分の読書がストレスを68％も削減する効果があり、音楽鑑賞や散歩、コーヒー、ゲームよりも効果的であること
（出典：「たった6分でストレスを68%も削減する…音楽鑑賞､散歩､コーヒー､ゲームよりも効果的なストレス解消法」プレジデントオンライン）

本の世界に没頭することで、一時的に現実の心配事やストレスから「逃避」でき、心拍数が落ち着き、筋肉の緊張が和らぐことが科学的に証明されています。寝る前の読書（電子機器を避けた紙媒体の読書）は、心身をリラックスモードに入れ、睡眠の質を向上させる効果も期待できます。

共感力（心の理論）とコミュニケーション能力の向上

小説や物語を読むことは、他者の気持ちを深く理解する能力、すなわち「共感力」を鍛えます。

フィクション小説の読書が、他者の考えや感情を理解する能力である「心の理論（Theory of Mind, TOM）」を育む効果があることが、複数の研究で示されています。フィクションの登場人物の思考や背景を追体験することで、現実世界での共感的能力が育まれます。

これは感覚的にも多くの人が感じている効果ではないでしょうか？読書をして感動して涙を流したり、怒りでムカムカとしてきたり、感情移入した経験がある人も多いですよね。

特にフィクションを読むことは、私たちが普段接しない価値観や環境を疑似体験することを可能にします。これにより、他者への想像力が深まり、人間関係における洞察力や向社会的な行動につながると考えられています。

語彙力と論理的思考力の強化

大人になっても、読書は語彙力と、複雑な情報を整理する能力を向上させ続けます。

読書を習慣にすると、ニュースやSNSでは使われない豊かな言葉や言い回しに自然と触れるため、飛躍的に語彙力が伸びます。

また、スタンフォード大学などの研究によると、専門書やノンフィクションを読む際は、筆者の論理展開を追い、複数の情報を比較検討するため、批判的思考能力（クリティカルシンキング）や複雑な問題解決能力を刺激し、論理性が鍛えられるといわれています。

文章を読むことは、情報をインプットするだけでなく、それらを整理し、自分自身の言葉でアウトプットするための土台を築くのです。

まとめ：大人の読書は「一生モノ」の自己投資

結論として、「大人になってからの読書は意味がない？」という問いに対する答えは、自信をもって、はっきりと「意味がある」と言えます。

読書は、たった6分間でストレスを軽減し、長期的に脳の健康を守り、豊かな人間関係を築くための共感力を育む、最も費用対効果の高い自己投資です。

興味のあるジャンルで構いません。まずは、通勤時間や寝る前のわずかな時間から、読書を始めてみてはどうでしょうか。

この小さな習慣が、あなたの脳と心、そして人生を豊かに変えてくれるはずです。

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